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コラム

2025.08.09

犬猫の肥大型心筋症

猫の肥大型心筋症(HCM)は、心筋が異常に厚くなることで心臓のポンプ機能が低下し、全身の循環に支障をきたす病気です。

原因

HCMの主な原因は遺伝的要因で、特定の猫種に多く見られます。

特にメイン・クーン、ラグドール、アメリカン・ショートヘアなどの猫種で発症しやすい傾向があります。

症状

初期段階では症状が現れにくいことが多いですが、進行すると以下のような症状が見られることがあります。

  • 呼吸が速くなる、または口を開けて呼吸する
  • 動きが鈍くなり、遊ぶ時間が減る
  • 食欲が低下する
  • いつもより長く寝ていることが増える

ただし、猫は体調の変化を隠すのが得意なため、こうした症状がわずかにしか表れない場合もあります。

診断方法

HCMの診断には、以下の検査が行われます。

  • レントゲン検査:心臓の大きさや形、肺の状態を確認します。
  • 心エコー検査(超音波検査):心筋の厚さや心臓の動きを詳しく観察します。
  • 血液検査:心臓に負担がかかっているかどうかを確認します。

これらの検査結果と、猫の症状や日頃の様子を総合的に判断することで、より正確な診断が可能になります。

治療法

HCMの治療は、症状を和らげ、病気の進行を遅らせることが目的です。

治療の中心となるのは薬物療法で、猫の状態に合わせてさまざまな薬が使われます。

例えば、利尿剤は体内の余分な水分を排出し、心臓や肺への負担を減らします。 また、血液をサラサラにする薬は血栓の形成を防ぎ、血流を良くする効果があります。 さらに、心臓の負担を軽減する薬を用いることで、心臓の働きを助け、症状を抑えることができます。

それぞれの猫の病状や体質は異なるため、獣医師がその猫に合った最適な治療法を選びます。

予防と早期発見

HCMの予防や早期発見のために、飼い主様が日頃からできる工夫を以下にご紹介します。

  1. 定期的な健康診断:年に1~2回は獣医師に診てもらい、早期の異常発見につなげましょう。
  2. 呼吸数の観察:猫が休んでいるときに呼吸数を数えてみてください。1分間に30回以上の呼吸が見られる場合は要注意です。
  3. 活動量や食欲のチェック:急に元気がなくなったり、食欲が落ちたりしていないか日頃から気をつけましょう。
  4. 適切な食事と運動管理:肥満は心臓に負担をかけます。適正体重を維持するため、バランスのとれた食事と適度な運動を心がけましょう。

日頃のちょっとした観察や定期的な健康診断が、愛猫との大切な時間を長く、安心して楽しむためのカギとなります。

もし少しでも気になることがあれば、どうぞ当院にご相談ください。

大切な家族の健康を守るため、全力でサポートいたします。

お困りのことが御座いましたら、お気軽にご相談ください。

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PROFILE

稲野辺悠(夜の獣医師ゆってぃー)

港区動物救急医療センター芝アニマルクリニック院長
日本獣医救急集中治療学会所属

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