2025.09.24
猫の拡張型心筋症
猫の拡張型心筋症(DCM)は、心臓の筋肉が薄くなり、収縮力が低下することで血液の循環が不十分になる疾患です。
原因
猫の拡張型心筋症の主な原因は以下の通りです。
- 遺伝的要因:特定の猫種で遺伝的に発症しやすい傾向があります。
- 栄養不良:タウリンなどの必須アミノ酸の不足が原因となることがあります。
- ウイルス感染:特定のウイルスが心筋に影響を与える可能性があります。
- 薬剤の副作用:一部の薬剤が心筋に悪影響を及ぼすことがあります。
症状

初期段階では症状が現れにくいことが多いですが、進行すると以下のような症状が見られることがあります。
- 食欲不振
- 元気消失
- 呼吸困難
- 体重減少
- 腹部膨満感
これらの症状は他の疾患とも共通するため、注意深い観察が必要です。
診断

拡張型心筋症の診断には以下の検査が有効です。
- 心臓エコー検査:心筋の厚さや心腔の拡大を直接観察できます。
- 血液検査:心臓の機能を示すマーカーの測定が可能です。
- レントゲン検査:心臓の大きさや肺の状態を確認できます。
治療

治療は症状の進行度や原因に応じて個別に行われます。
- 薬物療法:心臓の負担を軽減する薬剤が使用されます。
- 栄養管理:タウリンなどの栄養素の補充が行われることがあります。
- 生活環境の改善:ストレスを減らし、安静を保つことが推奨されます。
早期の発見と適切な治療が予後を大きく左右します。
予防
遺伝的要因が関与する場合、繁殖を避けることが予防につながります。
また、栄養バランスの取れた食事を提供し、定期的な健康チェックを受けることが重要です。
猫の拡張型心筋症は早期発見と適切な治療が鍵となります。
定期的な健康チェックと注意深い観察を行い、愛猫の健康を守りましょう。
お困りのことが御座いましたら、お気軽にご相談ください。
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PROFILE

稲野辺悠(夜の獣医師ゆってぃー)
港区動物救急医療センター芝アニマルクリニック院長
日本獣医救急集中治療学会所属