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コラム

2025.05.15

動物のカカオ、チョコレート中毒

<原因>

カカオやチョコレートには、動物に有害な成分であるテオブロミンカフェインが含まれています。これらは動物の代謝能力では処理されにくく、体内に蓄積して中毒症状を引き起こします。
特に犬や猫はこれらの物質に対して感受性が高く、少量でも重篤な症状を呈することがあります。ダークチョコレートやカカオ含有量の高い製品は、特に危険です。

<症状>

摂取量や体重によって症状の重篤度は異なりますが、以下の症状が見られることがあります:

  • 初期症状: 嘔吐、下痢、興奮、頻脈
  • 進行症状: 震え、筋肉のけいれん、高血圧、不整脈
  • 重篤な場合: 呼吸困難、昏睡、死亡

症状は摂取後2~12時間で現れることが多いですが、場合によっては24時間以上経過してから発症することもあります。

<診断>

  1. 摂取歴の確認: チョコレートやカカオ製品の摂取が疑われる場合は、速やかに獣医師に相談します。
  2. 血液検査: 血糖値や電解質の変動、腎機能や肝機能を評価します。
  3. 尿検査: テオブロミンの代謝産物が検出される場合があります。

<治療>

  1. 催吐処置: 摂取から時間が経過していない場合、催吐剤を用いて体内から毒素を排出します。
  2. 活性炭の投与: 胃内での毒素の吸収を抑制します。
  3. 補液療法: 脱水を防ぎ、腎臓からの毒素排泄を促進します。
  4. 対症療法: 不整脈やけいれんに対する治療を行います。

<予防>

  • ペットの届かない場所にチョコレートやカカオ製品を保管する。
  • 誤って与えないよう、ペットが食べられる安全なおやつを選ぶ。
  • 万一摂取した場合、速やかに獣医師に相談する。

お困りのことが御座いましたら、お気軽にご相談ください。

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PROFILE

稲野辺悠(夜の獣医師ゆってぃー)

港区動物救急医療センター芝アニマルクリニック院長
日本獣医救急集中治療学会所属

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