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コラム

2025.08.29

動物のアボカド中毒

<原因>

アボカドにはペルシンという化学物質が含まれており、この成分が動物に対して有害です。ペルシンは、特に鳥類、ウサギ、馬、犬などに中毒を引き起こすことが知られています。アボカドの果実だけでなく、葉や茎、種子にもペルシンが含まれており、これらを摂取した場合でも中毒症状が現れることがあります。ペルシンは心臓や呼吸器系、消化器系に対して悪影響を与える可能性があります。

<症状>

アボカド中毒の症状は、摂取量や動物の種類によって異なりますが、一般的に以下の症状が見られることがあります。

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 食欲不振
  • 呼吸困難:呼吸が速くなる、または苦しそうに呼吸する。
  • 心臓の異常:心拍数の増加や不整脈が見られることがあります。
  • 筋肉の弱化:筋肉の震えや、動きが鈍くなることがあります。
  • 浮腫:体液が異常に貯まることによって、特に四肢に浮腫が見られることがあります。
  • 無気力や元気消失:活発に動くことができなくなることがあります。

アボカド中毒は、特に犬や猫などが摂取した場合に深刻な症状を引き起こすことがあります。

<診断>

  • 問診:アボカドやその成分を摂取したかどうかを確認します。
  • 血液検査:肝機能や腎機能を調べ、アボカド摂取による影響があるかを確認します。
  • 画像検査:胃の中にアボカドの残留物がある場合、それを確認するためにX線や超音波を使用することもあります。

<治療>

アボカド中毒の治療方法は、摂取からの時間や中毒の重症度に応じて異なります。

  • 催吐処置:摂取後の時間が短い場合、獣医師は催吐処置を行い、アボカドを体外に排出させることがあります。
  • 活性炭:摂取されたペルシンの吸収を減らすために、活性炭を与えることがあります。
  • 支持療法:水分補給や電解質バランスの維持が重要です。点滴による治療が行われることがあります。
  • 症状の管理:呼吸困難や心臓の異常が見られる場合には、酸素療法や心臓薬の投与が行われることがあります。
  • 入院治療:重症の場合、病院での観察と治療が必要です。

<予防>

アボカドは動物にとって有害であるため、特にペットがアボカドを摂取しないように注意することが重要です。家庭内でアボカドを使用する際には、ペットがアクセスできない場所に保管することが推奨されます。また、アボカドを与える習慣を避け、動物が食べてはいけない食品のリストを守ることが予防につながります。

<関連情報>

アボカドはペットにとって非常に危険な食材であるため、ペットに与えてはいけない食品のリストに含まれるべきです。特にアボカドの種や皮にはペルシンが高濃度で含まれているため、これらも慎重に取り扱う必要があります。

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PROFILE

稲野辺悠(夜の獣医師ゆってぃー)

港区動物救急医療センター芝アニマルクリニック院長
日本獣医救急集中治療学会所属

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