2025.01.09
動物のネギ、ニラ、ニンニク中毒
犬猫の誤飲、誤食でとても多いものがネギやニラ、ニンニクの誤飲誤食したというケースです。料理中や料理の前に犬猫が食べてしまったということが多い印象です。命を脅かすことは少ないものの、貧血傾向の子では特に注意が必要です。
<原因>
ネギ、ニラ、ニンニクは、動物にとって毒性を持つ成分が含まれており、中毒症状を引き起こすことがあります。これらの植物には、硫化アリル(アリシンやアリルプロピルジスルフィドなど)が含まれており、赤血球に損傷を与えることで中毒を発症します。
<症状>
中毒を起こした動物には以下のような症状が見られます:
- 嘔吐や下痢
- 食欲不振
- 元気消失
- 粘膜の黄疸や貧血(赤血球の破壊による)
- 血尿や濃い色の尿
- 呼吸困難(重度の場合)
これらの症状は摂取後数時間から数日かけて現れることが多く、早期の発見が重要です。
<診断>
- 飼い主からの食歴情報(ネギ、ニラ、ニンニクを摂取した可能性)
- 血液検査での赤血球数減少、血中ヘモグロビンの異常
- 尿検査でのヘモグロビン尿やメトヘモグロビンの検出
<治療>
中毒の治療は以下の通りです:
- 催吐処置: 摂取から間もない場合は、毒物の排出を目的として催吐剤を使用することがあります。
- 活性炭の投与: 消化管内の毒物吸収を抑えるために用います。
- 点滴治療: 脱水症状や体内から毒物を排出するためのサポート。
- 輸血: 重度の貧血に対して行われる場合があります。
- 酸素療法: 呼吸困難を和らげるために使用されます。
<予防>
- ネギ、ニラ、ニンニクを含む食品を動物に与えない。
- 玉ねぎスープや加工食品にも注意を払い、ペットが口にしないよう管理する。
<注意>
ネギ科の植物中毒は進行すると命に関わる場合があります。摂取の可能性がある場合は、すぐに獣医師に相談してください。
お困りのことが御座いましたら、お気軽にご相談ください。
◆youtube:https://www.youtube.com/@vetsyutty
◆tiktok:https://www.tiktok.com/@nolimitvet_yutty
◆instagram:https://www.instagram.com/yinanobe/
24時間問い合わせはこちらから
公式LINE:https://lstep.app/XvXjl0q
PROFILE
稲野辺悠(夜の獣医師ゆってぃー)
港区動物救急医療センター芝アニマルクリニック院長
日本獣医救急集中治療学会所属