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コラム

2025.05.10

動物のヒヤシンス中毒

<原因>

ヒヤシンス(Hyacinthus)は、美しい花を咲かせる植物として広く知られていますが、その球根には動物にとって有毒な成分が含まれています。特に猫や犬が誤ってヒヤシンスの球根や葉を食べることで中毒を引き起こすことがあります。ヒヤシンスに含まれる主な毒素はアルカロイドサポニンで、これらの成分が消化器系に影響を与えることで中毒症状が現れます。

ヒヤシンスの球根は、特に毒性が強く、摂取することで重篤な症状を引き起こす可能性があります。植物の他の部分(花や茎、葉)にも多少の毒性がありますが、球根が最も危険です。

<症状>

ヒヤシンスを摂取した動物に現れる症状は、摂取量や動物の体重、健康状態によって異なります。主な症状としては以下のようなものがあります:

  • 消化器系の症状
    • 嘔吐
    • 下痢
    • 食欲不振
    • よだれが多くなる
  • 神経系の症状
    • 落ち着きがなくなる
    • 震えや筋肉のけいれん(重症の場合)
  • 全身症状
    • 嗜眠(眠りこける)
    • 呼吸困難(重篤な場合)

摂取後すぐに症状が現れる場合もあれば、数時間から24時間以内に発症することもあります。特に消化器系に影響が出ることが多く、嘔吐や下痢が見られる場合は、速やかに獣医の診察を受けることが重要です。

<治療>

ヒヤシンスの中毒が疑われる場合、早期の対応が動物の回復に重要です。治療方法は、症状の重さに応じて異なりますが、以下の対応が行われることが一般的です:

  • 胃の洗浄(催吐):摂取後すぐに処置を行うことで、胃の中に残っている毒素を排出することができます。
  • 活性炭の投与:摂取から時間が経過している場合、活性炭を与えることで毒素の吸収を抑えることができます。
  • 補液:嘔吐や下痢による脱水症状を防ぐために、点滴による補液が行われることがあります。
  • 症状に合わせた治療:筋肉のけいれんや神経系の症状が現れた場合、抗けいれん薬や鎮静薬の投与が行われることもあります。

<予防>

ヒヤシンスの中毒を防ぐためには、以下の予防策を講じることが重要です:

  • ペットのアクセスを制限する:ヒヤシンスをペットの手の届かない場所に置くことが大切です。
  • 庭や家の中での注意:特に散歩中や庭で植物を摂取しないよう監視し、ヒヤシンスが栽培されている場所にペットを立ち入らせないようにしましょう。

もしもペットがヒヤシンスを摂取してしまった場合、すぐに獣医に連絡し、適切な治療を受けさせることが最も重要です。

お困りのことが御座いましたら、お気軽にご相談ください。

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PROFILE

稲野辺悠(夜の獣医師ゆってぃー)

港区動物救急医療センター芝アニマルクリニック院長
日本獣医救急集中治療学会所属

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