2025.05.24
動物のブドウ・レーズン中毒
<原因>
ブドウやレーズンは、一部の動物、特に犬にとって毒性があることが知られています。現在、毒性を引き起こす具体的な成分は解明されていませんが、少量の摂取でも急性腎不全を引き起こすことがあります。
<症状>

ブドウやレーズンを摂取した動物は、以下のような症状を示すことがあります。
- 嘔吐(摂取から数時間以内に発生)
- 食欲不振
- 無気力、元気消失
- 腹痛
- 下痢
- 脱水症状
- 進行した場合、腎不全(尿量減少または無尿)
<診断>

- 問診:ブドウやレーズンの摂取歴を確認します。
- 血液検査:腎機能を評価するため、尿素窒素(BUN)やクレアチニン値を測定します。
- 尿検査:腎不全に関連する異常(尿中のタンパクや血液など)を確認します。
<治療>

- 催吐処置:摂取後間もない場合、動物病院で催吐処置を行います。
- 活性炭投与:毒素の吸収を抑えるために活性炭を使用します。
- 輸液療法:腎臓の負担を軽減し、毒素を排出するために静脈内輸液を行います。
- 腎機能管理:腎不全が進行した場合は、集中的な治療が必要です。
<予防>
- 動物の手の届く場所にブドウやレーズンを置かないようにする。
- 誤食を防ぐため、家庭内での食品管理を徹底する。
- 犬や猫がいる環境では、ブドウやレーズンを含む食品(パンやお菓子など)の提供を控える。
<注意点>
中毒症状は動物によって異なり、少量の摂取でも重篤な状態になる可能性があります。誤食した場合は、速やかに動物病院に相談し、適切な処置を受けることが重要です。
お困りのことが御座いましたら、お気軽にご相談ください。
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PROFILE

稲野辺悠(夜の獣医師ゆってぃー)
港区動物救急医療センター芝アニマルクリニック院長
日本獣医救急集中治療学会所属