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コラム

2025.02.09

家ではわからないペットの健康を守る!健康診断の検査項目と重要性とは?

東京都港区にある動物救急医療センター「芝アニマルクリニック」、院長の稲野辺悠(夜の獣医師ゆってぃー)です。

当院は、24時間体制で救急医療を提供する動物医療センターとして、愛するペットであり、家族の一員でもある、ワンちゃん、猫ちゃん、小動物(ウサギやハムスターなど)やエキゾチックアニマル(トカゲ、ヘビ、インコなど)の健康を、救急医療という立場から、日々サポートさせていただいています。

さらに最近では、緊急時や夜間の体調不良に対応するだけでなく、健康診断や検診などご相談もよくいただいております。

クリニックでの健康診断・検診では、飼い主様の日々の観察では目に見えない、内臓や骨、血液の状態などを把握でき、命を守るカギ、病気やケガの早期発見につながります。

そこで、今回のコラムでは、家では確かめることができない、健康診断の重要性・検査項目についてお伝えします。

一般的な健康診断の内容

まずは一般的なペットの健康診断として、実施している主な検査項目と、それぞれの検査を行うメリットをご紹介します。

【血液検査】体内の異常を早期に発見できる

血液は、身体の健康状態を知る上で非常に重要な情報源。

病気の兆候や臓器の機能低下を、症状として現れる前に見つけることが可能です。

・血球検査
貧血や炎症の兆候を確認し、免疫細胞のバランスを評価。感染症や炎症反応の初期段階を見つけることができます。

・生化学検査
肝臓、腎臓、膵臓などの内臓の働きを数値でチェックできます。異常があれば早期にリスクを特定し、適切な治療に役立てます。

血液検査を行うメリット

このように、血液検査の最大のメリットは、不調や症状が出ていない段階で、リスクや兆候を把握できる点です。

例えば、腎臓病は初期段階では症状が見えにくいですが、血液検査によって早期発見・治療につながります。

また、動物も人間と同じように体質・遺伝的な個体差があります。
ペットごとの個体差や体質を把握するため、基準値だけでなく、その子の「通常状態」と比較して異常を見つけやすくなります。

【尿・便検査】内臓や消化器の状態をチェック

血液検査と異なり、尿や便は体の外に出た「廃棄物」を通じて、特定の臓器や消化の働き、腸内環境の状態を直接確認することができます。

尿検査

尿路結石や膀胱炎の兆候を確認したり、腎臓の状態や尿の成分バランス・細菌感染の有無を調べたりできます。

*主な検査項目

・尿路結石や膀胱炎の兆候を確認
・腎臓の状態を評価し、慢性腎疾患などの早期発見
尿のpHや濃度から、栄養バランスや代謝状態を推測
細菌感染や異常な成分(血液やタンパク質など)の有無を特定

便検査

幼齢期や野外で活動するペットは特に注意したい腸内寄生虫の有無を確認します。

また、消化不良や腸内環境の状態をチェックする便検査では、消化不良や腸内炎症の兆候を捉えることができます。

*主な検査項目

・寄生虫の有無を確認
消化不良や腸内炎症の兆候を発見
便の形状や色、成分から腸内の健康状態を評価

【レントゲン検査】骨格・内臓を可視化できる

レントゲン検査は、骨や内臓の状態を「画像」として可視化することで、目に見えない異常を発見し、適切な治療計画を立てるための貴重な検査です。

外見だけでは判断が難しい内部の異常を特定できるため、ペットの健康診断において欠かせないステップとなります。

*主な検査項目

  • 骨格の状態
    骨折や脱臼、関節の異常、骨腫瘍の有無を確認します。また、高齢のワンちゃん猫ちゃんでは、関節炎や変形性関節症といった加齢に伴う問題を把握することができます。
  • 内臓の配置やサイズ
    胸部や腹部の臓器の大きさや位置関係を確認します。腫瘍の有無、臓器の肥大、炎症の兆候、さらには誤飲した異物の存在も特定可能です。

【超音波検査(エコー)】動きや細部を詳細に観察

超音波検査は、ペットの体に負担をかけることなく、臓器の内部構造や動きの変化をリアルタイムで観察できる優れた検査方法です。

特に、心臓や腎臓といった動きから異常を把握できるので、病気の進行度や治療の緊急性を評価するのに役立ちます。

また、結石や腫瘍など、レントゲンでは見つけにくい微細な異常の検出にも優れており、放射線を使用しないため、高齢のペットやストレスに敏感な子にも安心して実施できます。

*主な検査内容

  • 胸部エコー
    心臓の動きや大きさを観察し、心疾患(心肥大、心筋症、弁膜症など)の早期発見に役立てます。心拍数や血流の流れを視覚的に把握できます。病気の進行度合いも評価可能です。
  • 腹部エコー
    消化器(胃、腸)、泌尿器(腎臓、膀胱)、肝臓、膵臓などの臓器の状態を詳しく調べます。結石や腫瘍の有無、臓器の形状や動きの異常をリアルタイムで確認できます。

健康診断でわかるペットの未来

このように、健康診断の検査では、複数の検査を組み合わせることで、飼い主様では把握できない身体の状態を詳細に理解することができます。

また検査結果は、ペットごとの体質や健康状態に応じた予防策や治療方針を決める材料にもなります。

健康診断の頻度

健康状態は年齢や生活環境によっても変化するからこそ、定期的な健康診断を受けることが不可欠です。

一度の検査で異常がなくても、半年から一年の間に体調が変わることも少なくありません。

犬や猫の場合は、若齢(目安として6歳まで)であれば年に1回、7歳以上の中高齢であれば年2回の健康診断を受けることをお勧めしています。

ただし、慢性疾患や持病がある場合は、獣医師と相談の上でより頻繁な検査が必要になることもあります。

このように、ペット個々の状況に合わせて適切な健康管理を行うことで定期的な診断で健康状態を継続的に把握し、病気の予防や早期治療に役立てることが、ペットの健やかな毎日につながります。

大切なご家族を守るために

かかりつけ医とは別に、救急対応が可能な医療施設を知っておくことも大切です。

ペットが急な体調不良や事故に遭った際、迅速に対応できる医療機関を事前に把握しておくことで、万が一の際にも安心して対応ができます。

当院では24時間体制で救急医療を提供しており、緊急時にも対応できる環境を整えています。

芝アニマルクリニックでは救急病院であるものの、今回説明した検査を包括的に取り入れた健康診断プランをリリースする予定ですので、乞うご期待ください。

ペットと笑顔あふれる毎日を過ごすために、定期的な健康診断を始めてみてはいかがでしょうか?

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PROFILE

稲野辺悠(夜の獣医師ゆってぃー)

港区動物救急医療センター芝アニマルクリニック院長
日本獣医救急集中治療学会所属

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