2025.08.21
犬猫がぶどうを食べたら?
犬や猫にとって ぶどう(生・干しぶどうともに) は中毒を起こすことが知られています。以下に、原因から治療、予防まで整理します。
① 原因(なぜ危険か)
- 犬・猫がぶどうやレーズンを食べると、急性腎不全を引き起こすことがあります。
- ただし 中毒の原因物質はまだ特定されていません。
- ポリフェノール、酒石酸、その他の代謝物が疑われていますが、決定打は不明。
- 少量でも発症する場合があり、個体差が大きいのが特徴です。

② 主な症状
摂取後数時間〜数日で以下の症状が出ることがあります。
- 嘔吐(もっとも初期に出やすい症状)
- 下痢
- 食欲不振
- 元気消失、ぐったりする
- 腹痛
- 脱水
- 数日後:尿が出ない(無尿)・尿が減る(乏尿) → 急性腎不全

③ 検査方法(動物病院で行うこと)
- 問診:いつ、どのくらい食べたか
- 血液検査:腎機能(BUN、クレアチニン)、電解質(特にカリウム)
- 尿検査:尿量・尿比重・蛋白尿の有無
- 超音波検査:腎臓の腫大や構造変化を確認
④ 治療法
現時点で特効薬はありません。対症療法が中心です。
- 摂取直後(数時間以内)なら
- 催吐処置(吐かせる)
- 活性炭投与(毒素吸着)
- その後はサポート療法
- 点滴による輸液(腎臓の保護・毒素排出を促進)
- 制吐剤、胃薬
- 電解質の調整(高カリウム血症の対策)
- 重症時:透析治療が必要になる場合もある

⑤ 予後(治るのか?)
- 少量で無症状の場合もある
- しかし重症化すれば 急性腎不全 → 死亡 に至ることも
- 早期に病院に行き、処置を受けるほど助かる可能性が高い
⑥ 予防・対策
- 犬猫にはぶどう・レーズン・干しブドウ入り菓子やパンを一切与えない
- 家庭内で保管場所を徹底(手の届かない場所へ)
- 誤食したらすぐに動物病院へ連絡し、可能なら摂取量・時間を伝える
✅ まとめ
ぶどうは犬猫にとって「少量でも腎不全を起こす可能性がある危険食品」です。原因物質は未解明で個体差も大きいため、“絶対に与えない”ことが唯一の予防になります。
お困りのことが御座いましたら、お気軽にご相談ください。
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PROFILE

稲野辺悠(夜の獣医師ゆってぃー)
港区動物救急医療センター芝アニマルクリニック院長
日本獣医救急集中治療学会所属