犬のフィラリア症について
ペットを飼われている方々、寒い冬が明けて暖かくなってきましたね!
私自身、寒い季節より暖かい季節の方が好きなのですが皆さんはどうですか?
暖かくなってくるのはいいことですが、外の気温が上がるとぷ~ん、ぷ~んと出てくるやつがいますね!
そうです!蚊が出てきます!
蚊が出てきたら飼い主さんたちは出費がかさんでくるのではないでしょうか?
その理由は「フィラリア予防」が始まるからです!
毎月、または通年で予防するフィラリア症、予防薬も検査費用もバカにならないですよね!
かといって今はお友達に聞いても代々フィラリア症にはかかってないから予防しなくても大丈夫!なんて思っているそこの方!フィラリア症は実は今も少なからず発生はあるんです!
そして猫の飼い主の皆さんも
フィラリアは犬がかかる病気だから猫を飼っている私たちは平気ね!
と思っている方々
実はフィラリアは猫にも感染するんです!しかも感染すると命に関わることも。。。
・フィラリア症はどんな病気?
フィラリアという寄生虫が心臓や血管に寄生することで、血液の循環障害を起こす病気です。フィラリアは別名を犬糸状虫と言います。
蚊が動物の血を吸うときにミクロフィラリア(フィラリアの幼虫)が体内に入り感染してしまいます。
フィラリアが寄生した犬からフィラリアの幼虫を運んできます。感染した犬の血を吸った蚊が他の犬の血を吸うことでフィラリアに感染します。
フィラリアが寄生している犬の血液には、小さなフィラリアの幼虫がいます。フィラリアに感染した犬から蚊が血を吸う時に、この幼虫を一緒に吸い込んでしまいます。その蚊が感染していない犬の血を吸うことによって、身体の中にフィラリアの幼虫が入ってしまうのです。
フィラリア症の症状として、元気・食欲がない、咳をする、痩せる、呼吸が苦しそうなどがあげられます。また、症状が進行してくると、おなかが膨らんできたり、赤みを帯びた尿をするようになったりすることがあります。しかし、フィラリア症の症状は、はじめはあまり目立たないので見過ごしてしまいがちです。
フィラリア症検査方法や治療法
キットによる抗原検査
ミクロフィラリアを顕微鏡で検査する方法
画像検査
これらで2つのパターンに分類します。
そして
この二つのパターンで治療法は変わってきます。
一つ目は
・無症状もしくは軽症や中等度の症状やレントゲン検査に引っかかる場合は予防薬や抗生剤などを使う投薬による治療で治療成績は概ね良好。
二つ目は
腹水貯留などを伴う右心不全を呈する重症例
以前は成虫駆虫薬や手術による成虫の除去を行なっていたが、今はそれぞれ販売停止しているため使用できない。
そのため、先ほどの治療薬を使いながら、心臓の薬も使っていくことになり、また治療中に死亡することもある!!
予防薬がいかに大事かわかりますね。
・フィラリア症の予防方法
まず予防薬、予防薬と言っていますが、この予防薬の成分をみなさんご存知でしょうか?
薬によって成分は異なるのですが、概ね駆虫薬になります。
予防薬予防薬と言ってますが、フィラリアの幼虫を駆虫する薬ですので、予防薬でなく、駆虫薬なんですね!
蚊が存在する限り、絶えず、フィラリアの幼虫は体の中に入ってきます。
この幼虫が2ヶ月程度で成虫になるので、その前に1ヶ月ごとに薬を飲むことで、成虫になる前に駆虫している、とそういうことなんです。
とここで、絶えず幼虫が入ってきてるなら血液検査で毎回検査しないとダメなんじゃ・・・
と思ったそこの方!いい質問ですね!
フィラリア予防薬を飲む前に血液検査、皆さんされてますよね!
これは体内にフィラリアがいないかを抗原検査で調べているのですが、調べているのはフィラリアの幼虫でなく、成虫を確かめているんです。
成虫が大量に寄生している状態で駆虫薬の投与を行うと、死骸が血管に詰まったり、アレルギー反応などで、最悪死に至る可能性もあります。
ただし、検査については注意点がいくつかあります。
一つ目は
成虫の雌しか検出できないため、雄が感染している可能性は否定できないこと。
二つ目は
通年で薬を服用している場合、一般的には検査は必要ないことです!
・フィラリア薬は何を選べばいい?
愛犬家の皆さんはここを聞きたかったのではないでしょうか?
皆さんはどのタイプのフィラリア予防薬を飲ませていますか?
表にまとめましたのでご覧ください!
PROFILE
稲野辺悠(夜の獣医師ゆってぃー)
港区動物救急医療センター芝アニマルクリニック院長
日本獣医救急集中治療学会所属