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コラム

2025.06.06

犬猫の心臓腫瘍

<原因>

心臓腫瘍は、心臓またはその周囲の構造に発生する腫瘍性病変を指します。この腫瘍は良性と悪性のいずれかに分類されますが、犬や猫では比較的稀な疾患とされています。

主な原因は不明な場合が多いものの、遺伝的要因や慢性的な炎症が関与している可能性があります。また、以下のような腫瘍が一般的です:

  • 血管肉腫(Hemangiosarcoma):悪性腫瘍で、特に犬で頻繁にみられる。
  • 化学受容器腫瘍(Chemodectoma):心臓基部に発生することが多い。
  • リンパ腫(Lymphoma):心臓への転移性腫瘍として発生する場合がある。

<症状>

心臓腫瘍の症状は、腫瘍の大きさ、場所、進行度によって異なります。以下のような症状がみられることがあります:

  • 運動不耐性(疲れやすい)
  • 咳、呼吸困難
  • 腹水や胸水の貯留
  • 不整脈や失神
  • 血行不全によるショック

<診断>

心臓腫瘍の診断には、以下のような方法が使用されます:

  • 胸部X線検査:心臓の異常な形状や胸水の確認。
  • 超音波検査(心エコー):腫瘍の場所や大きさを特定するための有用な検査。
  • CT/MRI:腫瘍の詳細な構造や他の部位への転移の有無を評価する。
  • 血液検査:炎症マーカーや貧血の確認。

<治療>

治療法は腫瘍の種類や状態によって異なります:

  • 外科的切除:腫瘍が良性で摘出可能な場合に実施される。
  • 化学療法:特に悪性腫瘍やリンパ腫の場合に用いられる。
  • 緩和療法:症状を軽減し、生活の質を向上させることを目的とする。

<予後>

心臓腫瘍の予後は、腫瘍の種類と進行度によって異なります。良性腫瘍の場合、適切な治療によって長期的な管理が可能ですが、悪性腫瘍では予後が厳しい場合が多いです。早期発見と診断が予後改善の鍵となります。

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PROFILE

稲野辺悠(夜の獣医師ゆってぃー)

港区動物救急医療センター芝アニマルクリニック院長
日本獣医救急集中治療学会所属

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