2025.08.31
犬猫の熱中症について救急獣医師が解説
犬猫の熱中症
1. 原因
- 高温環境:気温・湿度が高い日、車内放置、直射日光下の散歩など
- 体温調節の限界
- 犬猫は汗腺が少なく、体温調節は「パンティング(口呼吸)」や足裏の汗腺だけ
- 高温多湿では熱を逃がせず体温上昇
- リスクが高い個体
- 短頭種(フレンチブルドッグ、パグ、ペルシャ猫など)
- 高齢・肥満・心疾患や呼吸器疾患のある個体
- 被毛が厚い犬猫
2. 症状
- 初期:激しいパンティング、よだれ、落ち着きがない、体温上昇(40℃前後)
- 進行:虚脱、吐き気・下痢、歯茎が赤い/紫色、脈拍が速い
- 重度:痙攣、意識障害、多臓器不全(肝・腎・脳)、死亡

3. 検査方法(動物病院で行う)
- 体温測定(直腸温、40℃以上で要注意)
- 血液検査:脱水(電解質異常)、腎機能(BUN・Cre)、肝機能(ALT・AST)、電解質バランス
- 血液ガス分析:酸素不足やアシドーシスの有無
- 尿検査:腎障害の確認
4. 治療法
- 応急処置(自宅・移動中)
- 涼しい場所に移す
- 水で濡らしたタオルや冷却パックを首・脇・股関節に当てる
- 水を飲ませる(意識がある場合のみ)
- 意識がなければすぐに動物病院へ
- 病院での治療
- 静脈点滴:脱水・電解質補正
- 酸素吸入:呼吸補助
- 体温管理:冷却処置(氷水は避ける、体温を急激に下げすぎない)
- 合併症治療:痙攣・臓器障害に対する薬剤投与

5. 対策(予防)
- 夏の散歩は 早朝・夜間 に限定
- 車内放置は 数分でも厳禁
- 室内飼育時は エアコン・換気・水分補給 を徹底
- 冷却マット・扇風機・日陰の確保
- 水は常に新鮮なものを用意
- 高齢・短頭種・心疾患持ちは特に注意
✅ まとめると
犬猫の熱中症は「命に関わる緊急疾患」で、発見から数分~数時間の対応が生死を分けます。飼い主の意識と予防が最も重要です。
お困りのことが御座いましたら、お気軽にご相談ください。
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PROFILE
稲野辺悠(夜の獣医師ゆってぃー)
港区動物救急医療センター芝アニマルクリニック院長
日本獣医救急集中治療学会所属





