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コラム

2024.09.18

鳥の鉛中毒

鉛は鳥にとって家庭内でよく見られる有害物質です。好奇心旺盛で探究心旺盛な性質のため、ペットの鳥は家の中で鉛にさらされる可能性があります。鉛には甘い匂いと味があり、食べたくなる誘惑が増します。鳥用のおもちゃの中には「鳥に安全」と謳われているものもありますが、鉛が含まれている場合があります。鉛は重金属毒性を引き起こし、血液、神経系、胃腸系に影響を及ぼします。鉛中毒は治療しないと死に至る可能性があります。
私の鳥が鉛中毒かどうかはどうすればわかりますか?

臨床症状には、衰弱(重篤になることもあります)や、精神活動の変化、足の麻痺、旋回運動、体と頭の震えなど、さまざまな神経症状があります。さらに、胃腸や赤血球の変化も起こる場合があります。

臨床症状と曝露歴から暫定的な診断が下されることが多いです。典型的な臨床症状はさまざまな疾患を特徴づけるため、診断検査が必要となります。

鉛中毒の検査法

鳥類に詳しい獣医師は、まず完全な病歴、体重、身体検査を行います。X 線 (レントゲン写真) では、消化器系に鉛片が存在することが示される場合があります。血中鉛濃度で確定診断が下されますが、結果が出るまでに数日かかる場合があります。全血球計算 (CBC) では、貧血 (例: 赤血球数の減少) の有無など、赤血球と白血球に関する重要な情報が得られます。

鉛中毒は治療法

多くの場合、鳥が鉛中毒にかかったときには、すでに重篤な状態か、死に瀕しています。鉛中毒が早期に診断され、発見されれば、治療は通常成功します。鳥が鉛にさらされた疑いがある場合は、すぐに獣医師またはペット中毒ヘルプライン(24 時間年中無休の動物中毒管理センター、1-800-213-6680)に連絡し、リスクと治療の必要性を判断してください。

治療は多くの場合、暫定的な診断に基づいて開始され、キレート剤(鉛を結合して尿を通して体外に排出する解毒剤)が使用されます。入院中の鳥には支持療法も不可欠です。

消化管から鉛片を早く排出するために、特定の食品や経口剤(高繊維など)を与えることがあります。鳥の消化管に大きな鉛片が存在する場合は、手術が必要になることもあります。

鉛中毒の予防

鉛中毒を防ぐには、ペットの環境から鉛の可能性のあるものをすべて取り除く必要があります。また、鳥がケージから出るのは監視されている場合のみにしてください。家庭環境でよく見られる鉛を含むアイテムには、次のものがあります。

  • 塗料(古い鉛塗料、1978 年以前)
  • 鉛の拍子木が付いた鐘
  • 鉛で重しをしたり、鉛片やはんだを含む鳥のおもちゃ
  • ステンドグラス
  • 鉛はんだ
  • ベネチアンブラインド
  • ジュエリー
  • 鉛弾(散弾銃の弾)
  • 鉛のおもり/重り(釣りに使用)
  • リノリウム
  • ミラー裏地(古い)

お困りのことが御座いましたら、お気軽にご相談ください。

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PROFILE

稲野辺悠(夜の獣医師ゆってぃー)

港区動物救急医療センター芝アニマルクリニック院長
日本獣医救急集中治療学会所属

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