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2024.03.24

非心原性肺水腫

原因によってA~Dのタイプに分けられる。

A. 陰圧性肺水腫は通常、上気道閉塞によって引き起こされます。強い吸気努力によって胸腔内の陰圧が増加し、肺毛細血管の静水圧が上昇します。これにより水分の移動が起こり、肺胞や毛細血管のバリアが破れて血管透過性が増加します。主な原因は喉頭疾患や短頭種気道症候群、異物の閉塞、人為的な絞扼などです。

B. 神経原性肺水腫の病態は完全には理解されていませんが、中枢神経の侵襲によりカテコラミンが過剰に分泌され、肺毛細血管の収縮や血管内皮の障害が起こることが考えられています。代表的な原因は中枢神経障害や感電です。

C. 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は炎症性疾患に続発し、直接損傷と間接損傷の2つに分類されます。直接損傷には肺疾患が含まれ、間接損傷には全身性炎症反応症候群(SIRS)、ショック、膵炎、敗血症などが含まれます。ARDSは炎症性メディエーターの放出や血管透過性の亢進によって肺水腫が引き起こされます。

D. 再膨張性肺水腫は長時間虚脱した肺が急速に膨張することで生じます。再膨張により血流が再開し、内皮障害が進行して血管透過性が亢進します。遭遇することはまれですが、横隔膜ヘルニアの術後や気胸・胸水のドレナージ後などで起こることがあります。

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